お便りによると、昨日(6月30日)の高値で空売りを潜ませて、今日の寄り付きで買い戻す手筈をなさってた読者がおられたとの由、まさに「玄人顔負け」で、本日に限っては証券会社の自己売買部門が束になっても、運用成績は足下にも及ばなかったと思われます。
今日の「気迷い相場」は好材料と悪材料が同時に出揃ったからで、前者は前日のニューヨーク市場と今日の寄り付き前に発表された「日銀短観」、後者は円安です。
より厳密に言いますと、ニューヨーク市場は80ドル安、シカゴの日経平均先物は東京の前日終値とほぼ同水準、日銀短観は市場予想より概ね悪い数字なのですが、先行指数(先行きに対する見通し)は事前予想ほど悪くなく、ドル円相場は1円近い円安と、「悲喜こもごも」の結果が一度に纏まって出てきました。
女性の参加者が多くなったとは言え、株式市場は今でも基本的に「野郎の世界」で、男と言う生き物は「理論」や「思考」に頼る「頭でっかち」でございまして(だからデートの時、本気になればなるほど「筋書き」を考える)、それが故に現実に「矛盾」や「辻褄が合わない」と思考停止に陥ります。
ですから今日は、市場参加者の相当部分が「買って(或いは売って)良いのか悪いのか分からない」まま大引けを迎えた訳で、証券会社の自己売買部門も損はしていないが儲けもない一日だったと思われます。
そして「頭でっかち」だから「素朴な疑問」、つまり景気が悪いのに何故日経平均は下がらないのか、専門家でも答えられないのです、連中の場合は「頭が悪い」のもありますが。
「キャベツは金持ちから中産階級、果ては貧乏人でも食べし、その摂取量(≒購入金額)に大差は無いが、株式は金持ちか中産階級しか縁のない世界で、しかもより多くの金を持っている、或いはより多くの資金を投入している方の発言権と説得力が大きい」、これが答えです。
八百屋の親父は万引きに注意しても、買い主の懐具合まで詮索しませんが、証券会社の連中は顧客の資産規模と余裕資金を頻りに訊きたがります。
しかも八百屋とお客は対等か客の方が上の立場にありますが、証券会社は「資産運用のアドバイス」と言う名目で顧客を左右しようとしますし、ネット証券だってベトナム株の将来性に注目だの(ベトナムの株価指数、直近の高値から2割近く下がっています)、これからはトルコだの(GDPが10%を超えるマイナス成長です)、「知識量の差」を前面に押し出して商売します。
それ故、キャベツの売上は景気に対して敏感に反応しますが、株式市場は市場参加者の過半数が納得しない限り、もっと言えば客の金を預かった証券会社が諦めない限り、現実に対して鈍感なのです。
要は需給の根本的な部分が違うのです。
本日(7月1日)のレポートから。
胡散臭い三羽烏の一角、CとSとFとB証券、
イーアクセス(9427) 「OUTPERFORM継続」(目標株価6万7,500円→9万2,000円)
携帯通信事業を含め、良くなる要因が見つかりません。
(了)