米欧市場の株価指数が続伸する中、日本だけは日経平均が先週末(10月8日)の9,590円から9,500円に下落、「素寒貧の国、日本」の実状をまざまざと浮き彫りにしてくれました。
ここまでの経緯を踏まえると、一時的にせよ日本株が上昇する要因は、「為替市場介入」か「資産買い取り」と言った、金融当局による「特攻攻撃」しかなく、しかもそれは回を重ねる毎に効果が薄れています。
為替市場は介入がなければ円高一辺倒、あれば一時的に円安の後に速度を増しながら円高再発進と言ったところでしょうか。
東証一部の予想PER(株価収益率)倍率が16倍を割り込みました。
小誌は「日本株の適正PER水準は15倍」との見方を採っていますので、さして割安とも感じていませんが、大方の認識は「20倍が適正水準」ですから、割安或いは仕込み時と感じている投資家もいるかも知れません。
一般に、
予想EPS(1株当たり純利益) × 予想PER = 日経平均(適正水準)
で試算しますから、EPSが大外れだったら尺度として全く用を為しません。
そのEPS、2010年度(2009年4月~2010年3月)実績が@310円、2011年(~2011年3月)の予想値は現時点で600円弱、昨年度と今年度で純利益がほぼ倍増すると市場は信じ切っています。
その前の2009年度が880円、ですから2011年度の東証一部上場銘柄純利益総額は2009年と2010年のほぼ中間まで戻るとの読みですが、読者の実感は如何でしょうか。
少なくとも今年4月1日時点で、1ドル=88円及び1ドル=120円より円高で業績見通しを作成している企業はほぼ皆無です。
全体の純利益を左右する銀行も予想通りがやっと、ハイテクや半導体、電子部品は市況そのものに陰りがみえています。
甘くみて@500円×20倍=1万円、じゃあほぼ天井じゃんと言うのが小誌結論です。
(了)