ワシントン・ミューチュアルが破綻、受け皿はJPモルガン・チェース銀行。
日本時間の昼間に報道されたと言うことは、現地では夜になって破綻と受け皿が決まったことになります。
すかさず日銀が公開市場操作に乗り出し、8,000億円を市場に供給、市場への資金供給は8営業日連続だそうです。
この資金が株式市場に向かい、後場の下げを縮める効果がありました。
米国議会では不良債権買い取り法案の審議が続いていますが、これがなかなか纏まりません。
共和党右派と民主党左派が法案に強硬に反対していて、採決に至らないのです。
昨日(9月25日)のニューヨーク市場の上げは、法案の早期成立と利下げ期待、それにFRBによる公開市場操作(日本と同じ理屈です)によるものです。
利下げはともかく、法案成立のメドが立たない状況下での金融機関破綻ですから、本来ならば衝撃は大きいです。
今晩(現地時間9月26日)の米国市場に注目と言うところでしょうか。
日本は約15年前のバブル破裂以降、忍従を強いられてきました。
それが結果的に良かったのです、知らぬ間に贅肉が落ち筋力が強化されていました。
ですからこの数年間、不動産バブル、原油バブル、株バブル、種類は違えどバブルに酔いしれていた国は、相応の報いを受ければ良い、と言うか、それ以外に道はありません。
その過程で破産する国家経済も出現します。
消耗戦の様相を呈しつつある現在、世界地図も大きく変わろうとしています。
生き延びるための戦争が頻発し、企業倒産は日常茶飯事、IMF管理下の国家は片手では収まらず、強烈なデフレが各国を襲います。
おそらく、この事態を乗り切れるのは、米国、日本、あと数カ国だと思われます。(EUはとても危ない)
先の読めない状況下では、先を読まなきゃ良いのです。
己の体験と勘、それに先人の事績が助けとなります。
米国はいずれ70兆円を遥かに上回る、文字通り桁違いの「不良債権買い取り」ではなく、「公的資金注入」を余儀なくされます。
この「社会主義的政策」を遂行する点においては、民主党のオバマ候補が適任ですが、自由主義経済の旗をはたして米国が降ろすのかどうか、注目される所です。
相場は暫くジェットコースター状態、防具が付いていませんから放り出される危険がありますが、それで良ければスリルをお楽しみ下さい。
(了)